2024/12/03
Violet「冬至の夜 永い夢」
菫色の小包。
tegamiyaさんの「冬至の夜 永い夢」より、Violetのオーナメントが届きました。
それを目にしたり耳にした瞬間より、自分のなかから離れていかない。
わたしにはときどきそういうことがあり、それが場所であればそこに赴くことに、作品であればそれをお迎えすることになるべくするようにしていて、この白い星のすみれもそのようにしてきてくれました。
そんなふうに訪れる“予感”のひとつずつの点は星であり、それをつないでゆくことが自身のなかにある星座を現実のかたちとしてあらわし、見せてくれるものであることを知っているから。
いまのわたしにはわからなくても、いつかのわたしにはわかっていて、「自分のなかから離れていかない」のはその“わたし”からの伝言であるのだということを、いまはもう充分に理解しているがために。
結ばれた糸を解いて、繊細につつまれた紙に触れて、そうしてあらわれたこの白い星の花を見たとき、「ああ、やっぱり」と感じた。
大切に受け継がれてきたアンティークのような質感、光の加減で表情を変える、すみれの星。
わたし自身のテーマのひとつに“陰陽”があるのだけど、tegamiyaさんの作品のなかにもずっとそれを感じている。
夜空に星が瞬くように、冬至という陰が深まる日のためのアミュレット。
その闇がやさしく囁く安らぎになるのなら、光もまたやわらかく微笑む憩いになる。夜と昼がまざりあう。
「冬至の夜 永い夢」では、この白い星のすみれ以外にも心惹かれる作品たちがならんでいた。
去年、おととしくらいからすごく土偶や埴輪、古代に土や石からつくられたものを拝見する機会が増えたのだけど、“祭祀”のなかであつかわれたそれらと今回の作品たちに共通するものが散見され、それらは聖なる土の匂いの気配を纏っている、と感じられた。
お迎えしたVioletのオーナメントは、到着してひと夜眠りに就いたあと、つぎの日の朝に開封したのだけど、すこし目を離したらそこに射していた虹。
予感、それはいつもうつくしいもの。