2026/04/12

「いつか桜も薔薇になるのでしょう」









 薔薇は桜の未来形、という言葉を『月の片翅』という本のなかで綴っているのですが、読んでくださったかたから「いつか桜も薔薇になるのでしょう」といって、桜の花びらみたいな色とおおきさの薔薇を贈っていただいた。


 その花びらが蝶の翅みたいにも、わたしには感じられた。


 とても嬉しかったこと。


 このちいさな薔薇は、日毎すこしずつ色が淡くなってゆくのだということで、花が開いたばかりのときはピンクの輪郭がはっきりしている色あいのようだけれど、わたしのもとにやってきてくれたとき、この国に生まれて「桜」といえばこの色だという色、そのものの色をしていた。


 一夜明け、それがもとの姿に戻ってゆくみたいに、またわずかに白に近づいている。それは「雪に還る」ということであるのかもしれないな、と。


 硝子でできた花々を鑑賞してきたばかりなので、そこから一輪いただいてきたのでは、と錯覚してしまいそうなほど、あわく、しなやかで、うつくしい。