『そこに光が降りてくる』 at 庭園美術館
アール・デコの窓やランプ。そこから射す陽、注がれる灯は、透きとおる水のようであり、揺らぐ風のようであり、目では捉えられないそれを「受けとる器」としての作品たちが、「ここに光がある」ということを、零れんばかりの輝きをとおして教えてくれた。
「石を積みあげる」という祈りの形式。そのようにしてひとつの“塔”をつくることで、自身の穢れをそこに「置いてくる」――祓い浄める。
石という漢字が使われ、なおかつ清潔にするために用いられる石鹸で、白を基調に美しい夢のような色の“石”としてそれが再現されているのを見て、感じるものがあった。
メデューサ。“怪物”として“石”のなかに閉じられた女神。
ひとつの輪から、いくつもの輪が生まれる。
回転することで顕れるかたち。
地母神のしるし。
“石”として眠っていたもの、封じられていたもの、固められていたものが、“光”を受けてそれを解く。
言葉にならないいくつものこと。
うかがえてよかった。
窓から見えた梅。