理由あって再読していた書物。
『物語の役割』のなかで純化された言葉の祈りに触れながら端々で涙がこぼれ、『センス・オブ・ワンダー』の頁をひらくといつもそこにある新鮮なきらめきに、あたらしくてやわらかい風が心をとおってゆく。
読むたびにさらに大切な本になる。
いま読み返せてよかった。
そして、そういう書物が自分にとっての“親しい友”なのだと。
宮澤賢治の『双子の星』もここ最近幾度か読み返していたお話のひとつで、そういう友の気配が、この物語にも。
星めぐりの歌。
オリオン座にみっつならぶあの星を見ると、わたしにはそれがいつも、過去、現在、未来、というふうに感じられる。
巡る星も物語も、直線の時間ではなく、すべての時空を同時に翔けている。