2024/11/23

読書の時間







 理由あって再読していた書物。


 『物語の役割』のなかで純化された言葉の祈りに触れながら端々で涙がこぼれ、『センス・オブ・ワンダー』の頁をひらくといつもそこにある新鮮なきらめきに、あたらしくてやわらかい風が心をとおってゆく。


 読むたびにさらに大切な本になる。

 いま読み返せてよかった。


 そして、そういう書物が自分にとっての“親しい友”なのだと。


 宮澤賢治の『双子の星』もここ最近幾度か読み返していたお話のひとつで、そういう友の気配が、この物語にも。


 星めぐりの歌。


 オリオン座にみっつならぶあの星を見ると、わたしにはそれがいつも、過去、現在、未来、というふうに感じられる。


 巡る星も物語も、直線の時間ではなく、すべての時空を同時に翔けている。