くるはらきみ個展「森で考えたことなど」 at みうらじろうギャラリー
水鏡に反射される天上の光景。
雲の精霊たちの目が空の色で水の色であることを認めると、すべての絵と造形のそれぞれの瞳のなかを覗きこんで、その色を見つめていった。
その目に森を映して育ったからか、かけらの一部を宿すみたいに、ちいさな女の子の翡翠のようなグリーンが印象的で、フェンネルの精の目のなかにもおなじ色を発見すると、静かでありながらどこか焦点がさだまらない夢のなかに遊ぶ眼差しのさきから生まれる、“物語”を思い浮かべた。
水や樹々、森がほんとうに美しくて、魅入ってしまった。
森のなかを巡るように室内をゆっくりぐるりと歩いたとき、きみさんがこの場所に“森”をつくってくださったことを感じ、そういう場所に聖なるものが集う、自然さと恩恵を享受しました。