エミリー・ディキンスンの新編に寄せられた、石倉和香子さんと日香里さんの訳詩と挿画の二人展、silent musicさんでの『斜めに射し込む光』にうかがってきました。
“詩人はランプに灯をともすだけ”
以前の詩集では最初に配置されていたこの詩が、このたびのものでは最後に。
ディキンスンの“灯芯”としての核、在りかた、気配が、原語を変換してもなお遺ることを祈られて、大理石に碑文を彫るように、言葉は彫られ、編まれ、並べられて。
夕闇の訪れとともにはじまった朗読会。
ほの昏い室内に透ける燈の光にランプの灯を連想しながら手もとの詩集に浮かびあがる文字を追い、ときに目を閉じて流れてくる音に心を開き、身をゆだねること。
集ったひとたちとその空間を共有することは、“光の円周を 拡げてゆく――”ことなのかもしれないと。