2026/02/12

富士の泉







 2月も中旬にさしかかろうとするなんて信じがたいほどで、あの富士の泉で過ごした濃密な束の間が、すごく遠く感じられます。


 それは時間が経ったから“遠く”感じられるというよりも、帰ってきてからすぐ、3日と経たないころにすでにそのように感じられました。


 「まるで竜宮城から帰ってきたような」と去年の11月のふたつの旅に対して思ったものですが、今回もそのような感想が自分のなかに深くあります。


 “竜宮城”という場所は、この現の境目と次元を超えた場所にあり、旅というものは、とくに今回のような目的、旅の仲間となるひとたち、おなじ星座のそれぞれが独立したひとつの星になりうるひとたち、繋がり集えば空におおきな絵を浮かびあがらせ、顕すことができるひとたちとする旅というのは、そのような色を濃く帯びるのだと思います。


 つまりは境目と次元を超える旅。


 ずっとずっとわたしのテーマである、イワナガヒメ、コノハナノサクヤヒメ、そしてかぐや姫。


 長い間惹かれつづけてきたことやものには意味があるのだと、ここ数年答えあわせをしているみたいで、これもそのような“答えあわせ”の旅でした。


 火と水。対となるもの。

 鏡のごとき泉に映るものは。

 人魚と龍神。

 富士山、不死山。かぐや姫はここから月に還ったのだという、天にもっとも近い山。




 写真 坂本憲司『富士山とお月様』