2025/10/20

新月前夜










 早朝の雨の庭に落ちていた酔芙蓉を、部屋に持ちかえり水の器に。


 朝に純白の花をひらき、正午から薄紅をひろげ、夕方にかけてはっきりとした紅へ。


 たった一日だけのグラデーションに物語を秘める花の神秘。


 この子は開花した日にずっと室内にいたので、日が暮れても淡く乙女の色にとどまっている。


 そんな新月前夜。