2025/10/29

『ポプリア逍遙』展 at 霧とリボン










 『ポプリア逍遙』展 at 霧とリボン


 優美な気品に満ちた薬草壺と、その調合に使われるのかもしれない植物が壜に封じられてならぶ部屋に、星に捧げられた言葉が静謐に置かれてあった。


 tarotの15番、daemonとの呼応を感じた山羊座が今日のわたしには印象深く、大理石に彫られた神話のごとき断片から矢車菊の花をあざやかに手渡された。





 お迎えしたもの。


 フランスガムさんの『人魚の唄』は、アンデルセンの人魚姫とおなじ色の瞳をもつ、海の色で矢車菊の花の色を眼差しに浮かべた人魚のお話。


 自分の瞳のなかの青に囚われていた彼女が、海底より深く隠されていた記憶から、やさしい風によって浮かびあがり、そっと飛んでゆく話でもあった。