2025/03/19
風花の使者、“生まれなおし”の太陽
天にむかってまっすぐに立ちならぶ、数多の柱のごとき樹々。
その木立の繁みからさらに奥深く、上へ上へと昇ったさき、空からの陽射しが届く場所で、神聖な生き物と出逢った。
それは聖地からの使者。
祝福と歓迎の雪に迎えられ、2月の諏訪の旅の再来のようでもあった三峯。
三峯神社の鳥居は「三ツ鳥居」
“三峯”の名の意味であるみっつの山、雲取山、白岩山、妙法山を、このように鳥居にあらわしているのでしょう。連なる三山。
“いつき”のとき、いつも太陽はこういう姿をしていて、完全な円環が目視できる。
それを見ると、そのためにきたことを、太陽がわたしに教えてくれる。
鏡のようであり、その縁からこぼれる水みたいな光は慈愛に満ちている。瑞々しくてやさしい。
ご一緒したかたが教えてくださった石のうえの龍。
黒龍なので滞った陰の気を祓う力を宿していて、それはまさにこの社の力そのものの具現化でした。
この神社のご祭神はヤマトタケルであり、剣の男神。
狛犬ならぬ対の狼がヤマトタケルのご眷属として、あちらとこちらをつないでいらっしゃいました。
滞ったものが祓われたあとの躍動。陽、動の力。
風(それは“剣”のエレメント)が吹くたび意志をつたえ、語りかけてくる。
ある意味で春分まえの禊のようでもありました。
三峯神社のお名前をはじめて認識したのは2020年で、お世話になっている魔女さんから「うかがってみるといい」と教えていただいたのでした。
それからずっと意識はしていたのですが、機が熟していなかったのでしょう、タイミングがあわず(そういうところも諏訪とよく似ていた)、けれども思いがけない扉がひらいてするするとこんなふうに予期せず辿りついていた。
遠いと思っていたのに(たしかに物理的に“近い”とはいえない時間、距離、エネルギーを使っておもむく場所ではあったけれども)、蓋をひらけば、こんなにも簡単なことだった。
帰り道、この“いつき”が自分にとってとてもおおきく大切なことだったことを、皮膚感覚ととめどなく流れてくるエネルギーで理解したことを、ひとつの記録として。
風花の合図。
“生まれなおし”の太陽――春分まえ。