元日、初詣から帰る道すがら森を散歩して、いつもは通らない道を歩きながらふと頭上を仰いだとき、葉を落とした樹々の高いところに巨大な球状の塊がたくさん確認できることを発見して、「え?」と停止してしまった。
「ヤドリギ?」と思いつつ半信半疑だったけれど、どうやらほんとうにヤドリギだった。
自然のなかのヤドリギをはじめて目にした。
しかもこんなに身近な森で。
視線の角度を変えれば見える景色が違う、というのをわかりやすく体験して、「ヤドリギの樹の下で」というのは物語のなかの風景だと思っていたけど、現実にその樹の下に佇んでそれを見あげるのは、なかなか感慨深いことだった。
ヤドリギは「宿り木」という表記で書くのも好き。
この樹の実を好物としているヒレンジャクという鳥もやってくるとのことで、いつか逢えるかもしれない。
子どものころからすぐそばにある場所なのに、いつも神秘にあふれている。