2025/01/20

下弦の月を迎えるまえに









 真昼の月が宵の月に変じる一瞬のあわいに浮かぶ銀色が、とてもきれいだった日。





 深紅のセーターを着て、紅薔薇の耳飾りをして、しらゆきべにばらのべにばら気分でお出かけしたら、うかがったコトリ花店で冬の王女といった趣きの、ちいさな赤い薔薇と目があった日。





 草舟あんとす号の本棚に見つけた『夢語り 夢解きの中世』の目次に触れただけで「これは」と思い、お迎えしたこと。


 やはり以前におなじ書架から『古代人と夢』をいただいてきていて、読む時機を待つ眠りに就いていたのだけど、この書物の目覚めのタイミングを迎えたのだなと感じた日。





 双子の星で、ふたつの水晶に棲む、ふたりの眼差しが交差する地点から生まれるものの狭間の時間を過ごした日。





 満月の数日まえの日のことを、下弦の月を迎えるまえに振り返る。