2026/05/15

双子のかたわれ、あるいは少女と乙女










 いつか、少女という生き物について「空を飛ぶことを祈りながら背中に羽がある自身を疑い、反世界に出奔しようとするのが少女。」と綴ったことがある。


 当時の言葉にしたがうなら“少女”――いつもその肩越しに“空”を感じるひとから、双子の薔薇のかたわれをいただいた。


 彼女が手ずからおつくりになられたもの。


 ちなみに「夢を見ることを願って心臓に翅がある自身を信じ、世界を空想しようとするのが乙女。」


 少女と乙女はずっとわたしのおおきなテーマのひとつだけど、最近またあらためてそれを意識することがつづいていて、これはどういうことだろうと観測している。


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 少女は拒絶する、乙女は受容する。

 世界を、時間を、他者を、そしておそらく自分自身を。

 自分を縛る何者かに首を横に振り、
 ときにはおのれの美しささえも拒み背け、
 空を飛ぶことだけを祈り、
 その背中に羽がある自身を疑い、
 反世界に出奔しようとするのが少女。

 自分が愛す何者かに首を縦に振り、
 ときにはおのれの穢なささえも迎え入れ、
 夢を見ることだけを願い、
 その心臓に翅がある自身を信じ、
 世界を空想しようとするのが乙女。

 少女は高潔で勇敢。乙女は慈悲と夢。



 (大昔のアリス・リデルの誕生日に記した言葉から。――そのころのわたしにとって“少女”はアリス・リデル、“乙女”はクシー・キッチンでした。)


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 『月の片翅』

 ©Yume tsukino
 ©yukane