2025/05/15

竹と満月、かぐやひめたちの集い









 満月の日、それぞれのために用意された竹の器をいただいて、それぞれが準備した食べ物をその器にならべ、飲み物をそそぎ、それを招き入れる。


 季節が移ろうたび表情を変えて、それでいながら“いま”このときに見る姿がいちばん美しい“星の樹の下で”の、しなやかな心をもったかぐやひめたちとの集い。





 竹の器にいれた枇杷の葉やヨモギやミントのお茶を舌で感じて自分のなかに摂り入れ、空に鉱石をかざして輝きに見惚れた。


 植物や石との対話のために自分を澄ませることは、“つながり”を深めることでもあること。


 あらゆる意味でやさしくてきれいなひとたちとの会話も物腰も穏やかさと愛に満ちて。





 その空間全体がひとつの器。


 器のなかにいるひとたちが放つもの、受けとるものが、月や星の光みたいにあふれてこぼれてきらめいていた。


 “五感”と結びつけられるこの牡牛座の季節、それを集約した特別な満月の日、みんな少女みたいだった。わたしたちは幸せだとすこしいとけなくなってしまうんだね。